創生・新しい日本

政治、経済、文化、社会・・・これからの日本を担う世代の提言Blog

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

大学生の学力保証のための提案

先日、教育再生会議が大学入試改革の素案をまとめたが、その骨子が「高卒学力テスト」の導入だ。

推薦AO(アドミッションズ・オフィス)方式により学力ベースの試験を受けずに大学に入学する人間は今や半数を超えているというが、それと同時に進行しているのが大学生の学力低下だそうである。
低下の度合いやその見方については割愛するが、大学生に一定以上の学力が保証されない中で大学に「国際競争力の向上を」と発破をかけても始まらないのは確かだろう。

その点において、入試の方式を問わず全入学志願者に受験を強制する「高卒学力テスト」の導入は妙案であると言える。
が、日本の大学の国際競争力の強化(相対的な学力はもちろん、研究レベルやその他人材育成・就職等も含めて)を念頭に置けば、一律のレベルで線を引き、高校卒業段階での最低限の学力を担保させるのは非効率であるとも言える。

例を挙げれば、日本における最高学府である東京大学と、"日東駒専"などと呼び称されるような大学において必要とされる「最低限の学力」は全くレベルが違う。
特に私大においては生き残りをかけてカリキュラムに特色を出し、独自の方向性で結果を出そうと努力している大学もあるだけに、単一の「学力テスト」で大学生の最低学力を保証するというのは無理があるのだ。

そこで私は、段階別の統一学力テストの導入を提唱する。
全国一律、全入学志願者に受験を強制する点は再生会議の案と変わらないが、①各大学独自の学力ベースの入学試験を全廃し、②出題レベルを5,6段階に分け、③科目を相当数(基本教科の他、外国語や情報処理その他の特殊なものも含め)用意し、④各大学・学部が②、③について基本的に自由裁量で志願者に指定出来るようにする、という点が特徴だ。

恐らく、こうした提案を行うのは私が初めてだろう。

それぞれの点について、まず①はこの制度が骨抜きにならないために必要不可欠な条件である。
この制度案の着想は、日本の大学が「入るのは難しいが、出るのは簡単」とされる仕組みであることへの問題視にもある。こうした仕組みであることが日本の大学の国際競争力をある程度落としていることは明白だ。よって、入試問題自体からあえて独自性を奪うことによって、客観的に必要な素養を持った学生を大学が責任を持って「特色ある人材」に育てていくという新しい仕組みを作りたい。

特に上位大学において、毎年趣向を凝らして難易度を高めた入試問題が花盛りだが、最初から大学ブランドに向いた優秀な学生を採れば、就職実績でもそれを反映した結果が出るのは当然だ。
問題は、その入試から就職までの間の4年間に、大学が学生に対して明確な教育効果(専門的な技能、知識の習得から社会人としての素養まで)を発揮できないことにある。この傾向は特に、文系学部において顕著だ。
有名・名門大卒業生でも「使えない」という風評がしばしばあるのは、正にそうした問題点が顕在化しているからではないか。

②、③、④についてはより子細な検討を要する。
が、あえて述べれば、現在全国の大学で行われている一般的な入学試験の科目を取り入れ、科目の選択と出題レベルについては大学・学部の裁量に任せるものの、第三者機関の審査が必要となる仕組みが理想だろう。
第三者機関が大学の教育の成果を多面的に評価し、それと照らし合わせて著しく不当な科目・レベルの選択を大学が行った場合には是正を勧告できる仕組みだ。

こうした仕組みにより、各大学は同じスタートライン(同じ入試問題・制度)から如何に優秀な大学生を育てることが出来るか、より公平に競うことが出来る。
現在は下位に甘んじている大学も、教育の成果を正当に評価されれば名門校に仲間入りを果たせる可能性がある一方で、上位大学でも怠慢的教育を続けていれば一気に落日の憂き目に晒される。
大学間に自由競争の仕組みを導入し、国全体で大学の競争力を底上げできるカギとなるだろう。

国立大学も独立行政法人化され、より大学それぞれの実力が重んじられる環境となった。
が、それでもまだ虚像の「大学ブランド」が幅を利かせ、大学の競争力を削いでいる側面が強くある。
GDPでは世界第二位の我が国が、大学ランキングでは最高位の東大でやっと20位(国連開発計画調べ・07年度)となっているのは決して偶然などではないはずだ。
入試偏重・教育軽視の現在の大学制度を根本的に改め、競争力の強化とより多様で有能な人材の育成を実現するために、私はこの新制度を提唱したい。 (Y・K)


大学の教育力―何を教え、学ぶか (ちくま新書 679)大学の教育力―何を教え、学ぶか (ちくま新書 679)
(2007/09)
金子 元久

商品詳細を見る
スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

| | 2009年01月19日(Mon)13:52 [EDIT]


承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

| | 2009年01月25日(Sun)23:52 [EDIT]


承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

| | 2009年01月27日(Tue)18:51 [EDIT]


承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

| | 2009年01月30日(Fri)03:52 [EDIT]


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。